○松本参考人 法律の留保原則というのは、これは日本の公法学においてはもう昔から議論になっている事柄でありますが、憲法学においては、かつて法律の留保原則というのが、法律さえ制定すればその法律によって憲法上の権利も制限して構わない、そういう趣旨で理解されたこともあって、非常に不人気な考え方なわけです。
しかし、憲法上の権利が仮に制限できるとすれば、それは法律の根拠がなければならないということは、これはだれもが
松本和彦
○松本参考人 表現の自由といいましても、確かに限界があるわけでありますが、しかし、どのような表現行為までが表現の自由としての保護を受けるのかという点については、これは抽象的にお答えするのは非常に難しいわけであります。
ただ、先ほど私が述べましたように、憲法上の権利の行使とは言えない表現行為はあり得るとは思うのですけれども、それはだれがどう考えても、これは憲法上の保護を考えるまでもなく許されないだろうと
松本和彦
○松本参考人 大阪大学の松本でございます。よろしくお願いいたします。
私に依頼されましたテーマは、公共の福祉、特に、表現の自由や学問の自由との調整というものでございます。
初めに、問題の所在を指摘させていただきまして、公共の福祉という概念のもとで何が論じられているのか、あるいは何が論じられるべきかということについてお話しさせていただきたいと思います。
公共の福祉という言葉は、憲法上四カ所で規定
松本和彦